もしかしたらレッズは本当に強豪チームになったかも
2005年9月3日現在、レッズは3位で、首位ガンバと勝ち点差7、2位鹿島とは勝ち点差6。
この日は前日まで首位だった鹿島と戦い、前半の2失点から残り10数分で追いつき2−2のドロー。
鹿島は首位を明け渡し、レッズは鹿島と勝ち点差をつめられず、代わって首位に立ったガンバとは勝ち点差は開いた。
首位のチームに2点差をつけられ、しかも守備の要の闘莉王の退場で10人になってからの同点。
思えば今期はこんなんばっかだったな。
2節のフロンターレでもロスタイムに2点差を追いついて引き分けたし、
8節のジュビロ戦は誤審PKでリードされるも直後にエメの同点弾、
あと、負けたけど、3節の大分戦でも不可解なジャッジで9人になったにもかかわらず、土壇場まであわや、だった。
どれも胸が熱くなる試合だった。
でもこの日の鹿島戦はそれらの試合とも少し意味合いが違う気がする。
それらの試合以上に身震いするほどの力強さ、迫力を感じたから。
「強豪」に近づいたんじゃないかって思ってしまった試合だったから。
今日の試合を見て、思い出した過去の試合が2つある。
ひとつはもうずいぶん前のセリエAの試合。
「ユヴェントスvsインテル」のイタリア・ダービー。
ジダンがまだユヴェントスにいて、デル・ピエーロとインザーギの2トップだった。
ジダンが退場になり、そこからユヴェントスが動きでも圧倒してインテルに勝利した。
この頃のユヴェントスはヨーロッパで無類の強さで、当時アヤックスのファン・ファール監督なんかは
「あのチームは宇宙人だ」とまで言ってたほど、圧倒的なボール支配率とアイデアで相手を圧倒してた。
いくらなんでも10人になっても相手を圧倒するとは思わなかったので、強烈なイメージが残っていた。
この日のレッズはアイデア部分はともかく、10人でもその時の首位チームを圧倒したボール支配率だった。
もうひとつ思い出す試合は、2002年日韓ワールドカップ後、Jリーグ再開直後の他でもない「レッズvsジュビロ」。
暑い暑い埼スタで、じっとしていても汗がどっくんどっくん出てくる日だった。
この時のジュビロはJでは無類の強さ、アジアでクラブチャンピオンになり、
アジアの大会での試合数の多さにも関わらず、Jでも勝ち続けるという、無敵状態。
試合は1−1の引き分けから、終了間際にジュビロDFが2枚目のイエローで退場、そのFKをエメルソンが決めて勝ち越した。
これで行けると思っていたら、直後のコーナーからゴンに決められ延長へ。(当時はまだVゴールありだった)
延長戦ではもう情けない思いをした。
ひとり少ないはずのジュビロがスペースをうまく使い、フリーの状況をどんどん作り出す。
半端じゃないほどの蒸し暑さにも関わらずジュビロは動き回り、運動量でレッズを圧倒、
最後は「あの」藤田にVゴールを決められた。
その時は悔しさと同時にジュビロという強豪チームを認めるしかなかった。
んで、なんと、この日のレッズはあの時のユヴェントスやジュビロと重なって見えてしまったのだ。
これはすごいこっちゃないか。
今後の戦いに期待してしまうのもムリないってもんだ。
数字には表れない、今期のレッズの可能性を強く感じるってもんだ。
思えば今期の開幕戦は埼スタでの鹿島戦だった。
レッズは試合内容で圧倒、内容だけだったら今期一番だったかもしれないのに敗戦。
ただ、最後のところで、合流が遅れて調整不足だったエメがシュートをはずしまくった。
そのうち鈴木師匠に偶然当たったようなシュートを決められ失点。
おまけに鈴木師匠の演技もあり、アルパイが退場になり、主審に目をつけられるきっかけに。
この試合以降、アントラーズは調子をあげ勝ち続け今日まで首位をキープ。
逆にレッズはしばらく勝てずに一時は最下位に。
方や首位、方や開幕ダッシュ失敗という、今期の調子を左右した大きな意味のある開幕戦だった。
レッズがどうにか3位までこぎつけてきて迎えた首位との再戦で見せた力強い試合。
結果的には勝ち点3がとれなかったのだが、そんな数字以上の何かを感じた。
残り12試合、この試合は再び今後を左右する大事な意味のある試合になる、そんな予感がしてならない。
〜補足〜
よく10人になって頑張るなら最初から頑張れという声を聞くがそれは違う。
サッカーは野球と違って常に動き回るため、試合時間の配分の仕方も重要な要素。
最初から100%で最後まではいけない。
マラソンと同じ要素もあるわけで、たとえば当初は残り5キロのラストスパートの作戦だったが、
相手や順位によって10キロからスパートをかけることもある。
だからといって最初からスパートかける、というわけにはいかないのと同じだ。
状況によってスパートのかけ方は変わるものだし、
サッカーでいえば10人になったのでスパートかけざるを得ない、ということも当然あるのだ。