緊急独り語〜今のレッズは本当に強いか。
サッカー・マガジンやサッカー・ダイジェストといった雑誌が毎週のようにレッズの特集を組み
連勝を続けるレッズの強さの検証やらしている。
まだセカンド・ステージは5試合しか終わっていないっちゅーに。
で、私の結論は「レッズはまだ強くない」である。
今勝ち続けているのは「勢いがある」からだ。
今までの優勝チーム、鹿島や磐田や横浜のように「強豪チーム」ではけっしてない。
レッズには攻めてくる相手をいなすこともできないし、時間を上手に使うこともできない。
ただただまっすぐにゴールを目指し続け、力ずくでゴールを奪っているにすぎない。
もちろん当然ながら勝ち続けているのにはいくつかの要因がある。
ひとつはポジション争いがうまい具合に作用し、選手個々の危機感と必死さが増した。
今年のファーストステージは日本代表やU23代表で何人もの先週が抜けたが、
代わりに出場した選手たちが見事な活躍をした。
おかげで代表選手が代表から戻っても簡単にはレギュラーをつかめなくなった。
特に長谷部の成長は目を見張るものがある。
長谷部はポジションにかかわらず完全にレギュラーに定着した。
昨年もすでにテクニックとセンスは見せ付けていたが、
今期は当たり負けしないフィジカルの強さを身につけ、彼のところでボールが完全に落ち着くようになった。
20歳の若者は今レッズの攻守の要になったといっても過言ではない。
だからU23代表招集で抜けていた山瀬が戻ってもスタメンを譲らなかった。
結果的に山瀬との併用を望んだ監督は長谷部はボランチにまわし、今期補強した酒井の出番がなくなってしまった。
また同じくU23で抜けていた田中達也も永井、岡野の活躍でスタメンに戻れなかった。
室井は堀の内、内舘の安定したバックアップによりベンチにすら入れなくなった。
こうしたレギュラー争いが本当に良い方向に向いていると思う。
だがもちろんこれだけでは勝ち続けことは難しい。
今の勢いを支えているのはふたつある。
1.いろんな意味のエメルソン
2.山瀬・長谷部・鈴木啓太の中盤の運動量の多さとセンス
1はエメルソンの個人のテクニックももちろん大きいが、
去年と比べて決定的に違うのはとにかくイエロー・カードをもらわなくなったことだ。
昨年までは主にシミュレーションと意義によるイエローカードがとにかく多く、当然出場停止試合も数多くあった。
だから去年は大事な試合の前はカードをもらって次の試合が出場停止にならないかヒヤヒヤしながら見ていたものだ。
まあ考えたらエメルソンは20歳前後をJリーグですごしてきたわけで、人間的にも大人になったということも言えるかもしれない。
3年前のエメに対しては、レッズサポーターの中からもあまりの自分中心のプレイぶりに「もう応援できない」という声も多く聞かれた。
それがいまやエメ様状態なのである。
2は実は今のレッズの生命線であると断言できる。
攻撃的サッカーを望む、チームを支えるのは中盤での守備、そして攻守の切り替えの早さがなくてはなしえない。
彼ら3人はピンチには最終ラインまでカバーリングし、攻撃になるとPKエリアまで侵入しているのだ。
また攻め込んでいて相手ボールになった時は早めにチャックし、ボールを奪うとすぐさま展開、自らも攻めあがるのだ。
エメルソンが得点王のトップにいるのも彼らが攻めあがって相手DFをひきつけてくれるからこそである。
そしてセカンドステージ第5節、vs新潟で山瀬が怪我をし、今期の復帰はなくなった。
2番目が崩れたことになる。
1/3が崩れたということではない。
彼ら3人は4にも5にもなっていたほどの力になっていた。
だから山瀬の離脱は今の勢いを続けるのはとても厳しいものになったと言わざるをえない。
しかし裏を返せば、何らかの方法で山瀬の穴をカバーしたとしたら本当に「レッズは強い」と言えるようになるのかもしれない。
そしてそのあたりを全く期待できないほど今のレッズは「弱くもない」。